デパートに行ったら一階のコスメ売り場にも二、三階のヤングファッション売り場にも目もくれず、真っ先に向かうは上層階リビングフロアの食器売り場というのが、少女時代のマイデパートコースでした。中でもお気に入りは新宿高島屋で、広い売り場をぐるぐると何時間でも飽きずに眺めては、時に職人さんの実演販売に見入っていました。そんなデパートライフで、どうしても欲しかったのがこのルーマニアのティーポットです。立体的なバラのつまみと陶器なのにねじって本物のツタのように取り付けてある持ち手、温かみのある絵付けに魅了され、何度も見に通いました。念願叶って手に入れた時は、本当に嬉しかったものです。お湯で温めたポットに、鍋で作ったミルクティーを入れて自室で優雅なティータイムを演出するのが、お気に入りのガーリータイムでした。当時の私のおこづかいで買えるくらいなので、べらぼうに高いものではないと思いますし、今改めて見るとデコラティブでいかにも貴族趣味という感じもしますが、実物は本当にちんまりと可愛らしく、シンプルな白いカップに合わせたら大人のティータイムのテーブルに咲く可憐な一輪の花のようです。
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by la-vie-a-tokyo
| 2014-07-13 13:20
| 自分整理術
このシンシア・ローリーの山羊革のバッグは、祖母から就職祝いにともらった商品券で、自分でデパートで買ったもの。使い始めて7年目になります。つくりが丈夫で上品なデザインと、エナメル加工と金の金具のかもし出す溌剌さのバランスが気に入っています。なかなか他のバッグに乗り換えられない理由は、その収納力の高さ! バッグの中は二つに仕切られていて、片方にお財布やポーチなどころんと丸いもの、片方に本や手帳などの四角くて薄いもの、と線引きして入れておけますし、内ポケット2つとファスナーポケット1つの配分は、定期券・携帯電話・鍵の3アイテムがぴったり収まります。小脇に抱える大きさなのに、見た目以上に入ってしまい、さらには最近はもう革がくたくたに柔らかく、入れようと思えばいくらでも物が入るので怖いくらいです。通勤時は軽い文庫本を持ち歩いていた時期もありましたが、それだとどうしても読むものがちょっと昔のものばかりになってしまい、読書で刺激が欲しい気分の時には物足りません。新刊の単行本なら、フレッシュにがつがつ読めますし、多少疲れていても文字が大きいので読みやすい。入れてみたら入ってしまった、そんな風情の小さい鞄から、本を取り出して読む時間が大切な自分の時間です。
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by la-vie-a-tokyo
| 2014-07-13 12:35
| 自分整理術
カナダからアフリカまで……今この瞬間も、世界中で新しい才能が発掘され、巨匠の新刊が出版されているはずです。でも、作家の情報や評判をダイレクトに手に入れるのはなかなか難しい。だからこそ海外文学を読もうと思ったら、自分のお気に入りのレーベルを見つけることが、最初のステップでありなによりも大切なことだと思います。私自身は中学生の頃、「ヴィレッジブックス」を愛読していました。『お菓子探偵ハンナ』や『ブリジットジョーンズの日記』などのシリーズものから、映画の原作小説、イーサン・ホークの自伝的小説ありとエンターテイメント要素の強いこのレーベルが大好きで、通学電車の中で日々読書に励んだものです。ハヤカワepi文庫の「ハヤカワepi文庫は、すぐれた文芸の発信源(epicentre)です」という宣言にも心ときめきました。高校生に上がると、文芸モノにシフトし「新潮クレスト・ブックス」を読むようになりました。このレーベルは今でも離れず愛読していて、アリス・マンロー、アリステア・マクラウドといったカナダの小説家を教えてくれましたし、ジュンパ・ラヒリ、ミランダ・ジュライなど、こちらの虚をつくような鮮やかな転回をみせる小説で、就寝前のベッドでの読書の時間を心許ないけど幸福な夜にしてくれる、そんな作家を数多く抱えています。
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by la-vie-a-tokyo
| 2014-07-13 11:55
| 自分整理術
2014年5月に出版された『「自分」整理術』(山崎まどか著、講談社)は、ワードローブの中身を整理するように、無条件で好きなものをまずは百項目、挙げてみて、自分のうちを整理してみましょうと提案した本です。本の中では、好きなものを百選んだら、「それを五つの項目に分けます」という指示があります。
「ずっと好きなもの」はあなたが本来持っている個性を、「新しく好きになったもの」は自分が成長している方向性を、「キラキラしたもの」は変わらない少女の心を、「憧れを含んだもの」は自分が進むべき理想の姿を、実用的な「定番のもの」は大人としての価値観を教えてくれるはずです。この本に影響を受けて、私も”私の『「自分」整理術』“をやってみようと思い立ちました。山崎まどか先生のフォーマットに従って、順番に書いていこうと思っています。百並べた時に、どんなスタイルが見えてくるのか、とても楽しみです。
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by la-vie-a-tokyo
| 2014-07-10 06:53
| 自分整理術
江國香織先生の小説『落下する夕方』の登場人物・根津華子は、私にとって恋焦がれながらも永遠に手に入らないものの象徴のようなものです。華子は、主人公含め小説の登場人物全員を魅了しておきながら、自分はどこ吹く風でふらふらし、27歳で自殺をしてしまいます。そんな華子に、中学生の頃から、華子の年齢を通り越して28歳になった今の今まで私は憧れ続けてきました。
華子は赤いダナキャランのセーターを着ていつもごろごろと眠ってばかりで、「だっていっぱい入ってるんだもの」と天ぷらそばも途中で投げ出してしまうくらい極端に食が細い。少年のように細長い色気のない足に、作りもののような小さな口。計りに載せたように正確な重量で響く「おかえりなさい」を言うことができ、主人公の梨果(華子に8年同棲していた恋人の健吾をとられました)と一緒に暮らしています。話の筋はだいたいこんなところです。もしも、現実に華子が存在したなら、本当にひれ伏してしまうほどの不思議な魅力を持っていることは、この小説を読んだ誰しもが認めることでしょう。さて、私も華子の真似をしてヘチマコロンを一瓶買い、それだけで顔のお手入れ全部を済ませようとしたこともありました。これからも根津華子に憧れて、赤いセーターを買ったりするかもしれません。
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by la-vie-a-tokyo
| 2014-07-06 22:25
| 自分整理術
6年ぶりにブログ再開です。マイ『「自分」整理術』を書いていきます。秘書検定1級、ソムリエ協会No.20783。座右の銘「思考する者もいれば、行動する者もいると言うが、真の人間の条件とは、手で考えることだ」
by la-vie-a-tokyo
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